2017年11月10日 (金) 16:00
患者さん : 40代女性。
主訴 : 左肘関節骨折後遺症(関節拘縮、筋肉硬直など)
随伴症状 : 首、肩の頑固なコリ。腰臀部痛。
十数年前に、雪道で転倒し、左の肘周囲を骨折した。
整復もせずにギプス固定されたため、未だに肘が曲がったまま伸展できない。
それにともない、上腕部の筋肉痛や肩関節の拘縮を認める。
この骨折以降、身体全体のバランスが崩れて、不調が続いている気がすると。
治療 : 「労宮」というツボに金の鍉鍼。
経過 : 一度の鍼で、肘の伸展、回旋時の痛みや角度が大幅に改善。
もっと驚いたのは、肩関節のバンザイの角度が50度ほど改善し
ベッドに手が届いてしまう。
これには二人で顔を見合わせてビックリ…。
翌週2診目にみえた時も肩関節の可動域は改善したままで
非常に動かしやすく、首、肩のコリも悪いものが取れたように
楽だったと。
十数年間掛けて変形したまま固まった関節や、周囲の筋肉の硬直が
常識で考えれば一度に緩むことは考えずらいと思います。
が、上記の症例は紛れもない事実です。
経絡の気の流れを整えることにより、堰き止められていた何か
タガが外れたのか、ロックが解除したのか…。
このような奇跡的な体験は過去にも何度もあります。
50年以上開かなかった股関節が一気に緩み、胡坐がかけるようになったり、
10mも歩けなかった方がいくらでも歩けるようになったり。
もちろん、その場は良いが時間が経つとぶり返すケースもありますが。
どちらにせよ、鍼灸治療がポンッときっかけを与え、身体のバランスを取る
手助けが出来たのは間違いありません。